Smiley face
日銀の植田和男総裁=2024年4月3日午後4時22分、東京都中央区、柴田悠貴撮影

 日本銀行の植田和男総裁が9日で就任から1年を迎えた。当初は黒田東彦(はるひこ)前総裁の「異次元の金融緩和」を引き継ぐ姿勢を示しながら、1年を待たずに転換した。今後は止まらない円安と、緩和で積み上がった「負の遺産」にどう対処するかが問われる。

 9日の参院財政金融委員会で、1年の振り返りを聞かれた植田氏は「様々な幸運にも恵まれ、いくつかの政策変更を進めることができた。今後も難しい局面に当たるとは思うが、適切な対応をしていきたい」と述べた。

 植田氏は昨年4月、10年にわたって総裁を務めた黒田氏の後を継ぎ、戦後初の学者出身として日銀トップに就いた。「粘り強く金融緩和を継続する」とし、黒田路線を続ける意向を強調したことで、市場からは緩和に積極的な「ハト派」とみられていた。

 しかしその後、「緩和の継続…

共有
© 2024 Japan Today. 無断転載を禁じます。