参院選では、各党が外国人の受け入れをめぐる政策を打ち出している。外国人の権利縮小を公約に掲げる政党が少なくなく、専門家は排外主義につながる恐れがあるとして警鐘を鳴らす。
「日本人ファースト」を掲げる参政党の神谷宗幣代表は4日、福島市で聴衆に「ここは日本なんだから、日本の国民が豊かになるような仕組みをつくらないといけない。経済の仕組みや税制を自国民に有利にするのは当たり前じゃないか」と訴えた。
党の政策集の「国防・外交」には、外国人への生活保護の支給停止や公務員の採用制限、外国人政策を一元管理する「外国人総合政策庁」の設置など、24項目にわたって外国人政策が並ぶ。
社会保険の運用見直し、運転免許の厳格化…
国民民主党も、外国人の社会保険の運用見直しなどを掲げる。玉木雄一郎代表は公約メッセージで「日本人が払った税金は日本人のための政策に使う」と強調する。
こうした新興勢力だけでなく、既存政党も外国人政策を打ち出す。自民党は今年5月、在留外国人への対応を議論する関係会合を急きょ発足。外国人による運転免許証の切り替えや不動産取得に関する規制強化を公約とし、「法令に基づいて毅然(きぜん)と対応する」と盛り込んだ。
公明党も「不法滞在者ゼロ」を訴え、日本維新の会は「就労目的の外国人は、わが国経済の成長に貢献し得る人材に限って受け入れ」を掲げた。
外国人政策を打ち出し始めた背景には、参政の「日本人ファースト」のキャッチフレーズがSNSなどで注目を集めていることがある。参政は先月の東京都議選でも同様の主張を展開。3人を当選させ初議席を得た。参院選でも、朝日新聞の序盤情勢調査で、2022年参院選の1議席から大幅に議席を増やしそうな勢いを見せる。
一方、立憲民主党や共産党、れいわ新選組、社民党は規制に抑制的だ。立憲は外国人旅行者への消費税免税制度の見直しを掲げつつ、野田佳彦代表は「多文化共生社会を作ることが基本だ。違法なことは、外国人だろうが、日本人だろうが駄目だ」と訴える。
外国人を「脅威」と捉えるよ…