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浦和学院―横浜 一回裏横浜1死二、三塁、奥村凌が生還して先制=2025年5月21日午前10時8分、ノーブルホームスタジアム水戸、中嶋周平撮影
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 第77回春季関東地区高校野球大会(関東地区高校野球連盟主催、朝日新聞社など後援)の準々決勝2試合が21日、ノーブルホームスタジアム水戸(水戸市)であった。横浜(神奈川1位)は浦和学院(埼玉1位)に3―2で競り勝ち、4強進出を果たした。東海大相模(神奈川2位)は山梨学院(山梨1位)に2―6で敗れた。横浜は24日、専大松戸(千葉1位)と同球場で対戦する。

スライダー5球で流れ変えた 横浜・片山投手

 八回表、横浜は浦和学院に同点に追いつかれ、なお2死三塁のピンチ。片山大輔投手(3年)がマウンドに上がった。

 自信のあるスライダーを投じたが、ボールが続いた。相手ベンチからは「またスライダーが来るぞ」と聞こえたが、気にしなかった。「来るとわかっていても空振ってしまう球を練習してきた」

 しつこくスライダーを投げ続けて、最後は空振り三振に仕留めた。

 チームには奥村頼人投手(3年)、織田翔希投手(2年)の二枚看板がいるなか、短いイニングを任されることが多い。春の選抜大会ではわずか1球のリリーフも経験した。

 先発をやりたい気持ちもあるが、「自分の役割は、短いイニングで流れを変える投球をすること」。その言葉通り、直後の八回裏に打線がつながり、2点を勝ち越した。

 この日は5球で役割を果たした。

一時勝ち越しの犠牲フライ 東海大相模・金本選手

 同点で迎えた三回裏無死一、三塁。「犠牲フライでも点は入るな」。東海大相模の4番、金本貫汰選手(3年)は冷静だった。低めのスライダーを力まず打ち上げ、一時勝ち越しに成功した。

 この日は犠飛に加え、複数安打と活躍した。しかし、逆転を許し、終盤の八回の打席では、左飛に倒れた。「主軸として、チームの流れが止まっているときこそ打たなければいけなかった」

 昨夏の甲子園では2年生ながら4番として打線を牽引(けんいん)してベスト8入りに貢献した。準々決勝で敗れた時に、甲子園の土は持ち帰らなかった。「思い出をつくる場所じゃない。また戻ってくる試合会場だから」

 春の甲子園での選抜大会はライバルの横浜が優勝した。7月には夏の甲子園をかけた神奈川大会が始まる。「これからの公式戦は負けたら終わり。覚悟を決めて、やりきったと言える努力をしたい」

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