30代の娘が、げっぷが続いて「呑気(どんき)症」と診断されたが、どうしたら良いのか――。そんなお便りが、読者からの医療相談のコーナー「どうしました」に寄せられました。
ひどいときには胸が苦しく、食事も取れなくなるそうです。原因は何か、どうすれば良いのか、国立病院機構久里浜医療センター内視鏡部長の水上健さんに聞きました。
――消化器科でX線検査をして「呑気症」と言われたそうです。どんな病気ですか。
人は、生活をするなかで自然と空気を呑(の)み込んでいます。
そのこと自体は生理現象ですが、無意識のうちに空気をたくさん呑み込んでしまい、空気が胃や腸にたまって、おなかが張って苦しくなったり、げっぷやおならが頻繁に出たりすることがあります。
こうした場合を呑気症とよびます。「空気嚥下(えんげ)症」ともいわれています。
――なぜ空気をたくさん呑んでしまうのでしょうか。
呑気症の主な原因は、ストレスや緊張などと考えられています。
ストレスや緊張から唾(つば)を呑み込む回数が増えることで、呑み込む空気も自然と多くなって、おなかの中のガスが増えてしまいます。
食べるのが早かったり、よくかまないで食べたりすることでも、大量に空気を呑み込んでしまいます。
呑み込んだ空気の約8割は窒素で、体内に吸収されにくいです。
普通の量であれば呼吸やおならとして排出されて気になることもありませんが、取り入れた空気が多い分、ガスがおなかにたまってしまうのです。
このガスによって、おなかの張りやげっぷ、おならが引き起こされるのです。
治療法は? 市販薬は効く?
――相談者さんによると、「…