【楽問(がくもん)のススメ】
学校、趣味、学び直し……。「学ぶ」「教える」の現場にいる方に取り組みや魅力を聞きます。今回は、多摩武蔵野スリバチ学会会長の真貝康之さんです。
渋谷駅から京王井の頭線に乗ると、しばらくトンネルが続き、次の神泉駅の手前でわずかな間、外に出ます。すぐにまたトンネルに入るのですが、これは神泉駅の辺りが谷になっているからです。
普段の生活で意識することはあまりないかもしれませんが、東京の地形は実に起伏に富んでいます。私たちはこうした凸凹の「スリバチ」に注目し、その景色を眺めたり、街の成り立ちを思い浮かべたりして楽しんでいます。
スリバチにのめり込んだきっかけは2011年、ネットで見つけた「東京スリバチ学会」のフィールドワークに参加したことです。渋谷区富ケ谷の谷筋を歩いたのですが、少し高い所に上がって振り返ると、いま来た道が谷になっていることがはっきりと分かる。思わず「おおー」と声が出ました。よく知っているはずの街がまったく違った風景に見え、その新鮮さに驚くとともに、「スリバチの空は広い!」という説明に納得がいきました。
月1回のフィールドワークに…