フランスの歴史学者ニコラ・バシャランさん
米国でトランプ大統領が就任しました。ただ、多様性や自由、寛容さを重んじて男女平等や少数派の権利保護などに力を入れてきたリベラル勢力の「敗北」につながるとの指摘もあります。トランプ氏の復権は西側諸国の民主主義や社会運動に何をもたらすのか。米国政治を専門とするフランスの歴史学者ニコル・バシャランさんに聞きました。
――トランプ氏の再登板は、米欧で主流を占めてきたリベラルな政治の終わりにつながるのでしょうか。
少なくとも民主主義的な価値観が弱体化する懸念はあります。トランプ氏が民主主義の基盤である選挙の結果を尊重してこなかったからです。トランプ氏はバイデン氏と争った2020年の大統領選の結果は不正であり、本来は自分が勝者だったと主張しています。
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