【動画】パトカーと衝突、事故の瞬間映像=被害者側提供

愛知県警のパトカーと軽乗用車が衝突した交差点。パトカーは右から進入した=2024年6月1日、名古屋市天白区、高橋俊成撮影

 名古屋市天白区の市道交差点で昨年6月、愛知県警天白署のパトカーと軽乗用車が衝突し、軽乗用車の3人が重軽傷を負った事故で、パトカーを運転していた警察官(35)が、自動車運転死傷処罰法違反(過失運転致傷)の罪で罰金30万円の略式命令を受けていたことがわかった。事故から1年に合わせ、被害者側は署に再発防止策の構築などを申し入れた。

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 略式命令などによると、警察官は昨年6月5日夕、喫煙していたとみられる少年をパトカーで追跡中、一方通行の市道を逆走。当初は赤色灯をつけてサイレンを鳴らしていたが、少年を見失いサイレンを停止した。その後、少年を発見し、追跡するためにサイレンを鳴らさないまま信号のない交差点に進入。女性(当時35)が運転する軽乗用車と衝突して横転させ、女性の長男(同7)に脾臓(ひぞう)損傷で全治1カ月の重傷、女性と長女(同1)にもけがを負わせた。

 道路交通法の運用をまとめた県の同法施行細則などによると、県内では、捜査やパトロール中などの警察車両であれば、赤色灯をつけてサイレンを鳴らした「緊急走行」でなくても一方通行などの交通規制の対象外となる。

 名古屋区検は昨年12月12日付で、パトカー側の道路は建物で見通しが悪く、交差点前で徐行し、安全確認しながら交差点に進入すべきだったのにそれらを怠ったなどとして、警察官を略式起訴した。名古屋簡裁は翌13日付で罰金の略式命令を出した。

 県警は、この警察官の立件や処分などについて発表していない。県警は「発表は個別の事案の内容などに応じて判断する」としている。

「過失を公表し謝るべきではないか」

 被害者側は先月31日付で代…

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