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 年間約20万件ある民事裁判の判決のデータベース(DB)化を議論してきた政府の有識者検討会は29日、報告書をとりまとめた。ビッグデータとしての活用が進むことで、司法判断の傾向が詳細に分析できるようになり、紛争の早期解決につながるとの期待がある。

 政府は報告書をもとに法整備に乗り出す。記録の電子化など、民事訴訟手続きのIT化を盛り込んだ関連法が2025年度に完全施行される見通しで、DBは26年度中の運用開始をめざす。

 司法統計によると、22年に全国の裁判所で言い渡された民事事件の判決は約22万件。民事訴訟法は、誰もが訴訟記録を閲覧することができると定めるが、閲覧には原則として裁判所に出向く必要がある。

判決、AIが学習し分析

 裁判所は、先例になる可能性が高いと判断した判決をホームページに掲載しているが、その件数は年間数百件にとどまっている。民間の判例雑誌社などにも提供されているが、多くても全体の1割程度だった。

 一方、近年は紛争解決の分野…

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