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NHK放送センター=東京都渋谷区

 NHKと民放が各局で維持する放送網の費用負担を減らすために中継局を共同で利用する計画について、NHKの稲葉延雄会長は17日の定例会見で、事業の枠組みの見直しを検討していると明らかにした。現行の計画では採算が取れず代替案を検討するというが、民放との協議の行方は不透明になっている。

 NHKは昨年12月、中継局の共同利用事業のための準備会社「日本ブロードキャストネットワーク」を設立した。民放からも出資や役員の派遣を受ける前提で、今年10月にも運営の詳細を民放と合意する予定だった。

 しかしNHKによると、3月から共用化によるコストの軽減を詳細に試算した結果、資材の高騰などにより想定した収支改善効果が期待できなかった。主に山間部では、放送ではなく高速大容量のデータ通信「ブロードバンド」で番組を届ける構想もあったが、負担軽減の見通しが不透明になっているという。

 稲葉会長は会見で、「この事業モデルを先々見通すと、かなり運営が厳しい。コスト的にも見通しが厳しい」と話し、代替案を検討し民放と協議する意向を明らかにした。

 ただNHKは共同利用事業な…

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