気候変動政策を立案する場で、若者が声を上げる機会が増えてきた。気候変動の悪影響は将来世代ほど顕著だとされ、当事者になる若者の声を聞くことは重要だ。しかし、十分に意見反映できる体制が整っているとは言いがたい。

地球温暖化対策計画の議論に臨む委員ら=2024年6月、東京都港区、市野塊撮影

 「気候変動の被害には世代間格差がある」「このままでは、将来世代が被害を受ける不公正な社会が加速する」

 8月末、温室効果ガスの削減目標を議論する環境省と経済産業省による合同会議で大学生らでつくる若者の3団体がオンラインで話した。用意した資料を踏まえ、削減目標を高めるよう求めた。

 気候変動の悪影響は将来世代ほど顕著になるとされる。熱中症や災害リスクの高まりから、暑さで野外活動が制限されることまで、かつての暮らしができなくなることは人権侵害だという捉え方もある。グレタ・トゥンベリさんが始めた気候変動対策を求める活動が欧州の若者を中心に世界中に広がった背景にも、こうした考え方があるとされる。被害の当事者になる若者の意見を聞くことは、政策を立てる上で重要だ。

会議では厳しい指摘も

 一方、若者の意見が尊重され…

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