水俣1956→2025

 水俣病の被害地と周辺の住民の「健康調査」に、環境省が今年度から着手すると公表した。地元から「実態解明につながらない」と批判が上がっているが、何が目的で、どのように調べるのか。

  • 水俣病「今も被害ある前提でない」→「言葉過ぎた」 環境省担当室長

■水俣病疑い、でも伝えぬ方針

 健康調査は、「あたう限り」の救済をうたって2009年に施行された水俣病被害者救済法(特措法)が国の実施を定めた。調査手法は、識者らを集めた検討会の3回の協議を経て、3月に環境省側が方針を固めた。今年度に予備調査(40人)を行い、被害者団体とも意見交換しながら最終決定する、としている。

 同省によると、対象の場所は「メチル水銀曝露(ばくろ)が高かった」「その周辺」「曝露がない」(対照地域)の3分類でそれぞれ複数地域を選ぶ方向。

 「周辺」は、特措法の救済措置で「対象地域外」とされて高いハードルを課されたエリアを含めることも検討する。

 住民基本台帳から無作為抽出し、1地域で1974年以前に生まれた各200人を調べる。認定患者、救済対象となった手帳保持者は除く。協力拒否も含めて数が200人に満たなければ、追加で抽出する。

 調査期間は2026年度から…

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