米大リーグの大谷翔平選手から巨額のお金をだまし取ったとして銀行詐欺容疑で訴追された水原一平容疑者が12日、疑惑の発覚後初めて公の場に姿を見せた。ロサンゼルスの連邦裁判所での15分ほどの裁判官とのやりとりでは、「イエス」などと言葉少なに答えるにとどまった。
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「カシャ、カシャ」
12日午後1時45分(日本時間13日午前5時45分)ごろ、50人ほどの傍聴人で埋まった法廷に、入廷してきた水原容疑者の足かせの音が響いた。濃いグレーのスーツ姿。白いシャツのボタンを一番上までとめ、ネクタイはしていなかった。
裁判官が冒頭、足かせを外すことを認め、水原容疑者は弁護人のマイケル・フリードマン氏と並んで証言台に立った。
記者の2メートルほど前に立った水原容疑者は、これまで写真で見た表情とあまり変わらないように見えた。わずかに茶色がかった髪の毛は、襟足が少し伸びていた。スーツにはところどころしわが見える。両手を前に組み、直立して裁判官の質問に答えた。
「名前はイッペイ・ミズハラですか」
「イエス」
「認否は別として、訴追の内容は理解しましたか?」
「イエス」
時折うなずきながら、表情は変えず、短い答えを繰り返した。
水原容疑者は同日午前、司法…