カワサキモータースは、開発した水素エンジンバイクを鈴鹿サーキットで公開した=2024年7月20日、三重県鈴鹿市、高橋豪撮影

 水素を燃料にしたバイクが20日、量産メーカーのものとしては、世界で初めて公開の場で走った。川崎重工業子会社で二輪大手のカワサキモータース(本社・兵庫県明石市)が、鈴鹿サーキット(三重県鈴鹿市)で開催中のオートバイレース大会「鈴鹿8時間耐久ロードレース」で披露した。

 走ったのは、カワサキの最新車種「Ninja H2 SX」の座席後部に水素が入ったタンクを搭載した特別車両。レースの合間のイベントで、スタンドの視線を浴びながらコース上をデモ走行し、2分半で1周した。同社で開発を率いた市聡顕(さとあき)・先行開発部長は観客に向けて「意外と普通のモーターサイクルです。ツーリングにもすぐに行けそうな感じがします」とアピールした。

 水素エンジンはガソリンに比べて、燃焼速度が速く、操作に対してもより素早く反応する。燃焼時に温室効果ガスを排出しないため環境負荷が低く、振動や音を楽しむエンジンならではの「乗り味」も損なわない。

 同社は「2030年代初頭」…

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