将棋の藤井聡太王位(23)=名人、竜王、王座、棋聖、棋王、王将と合わせ七冠=に永瀬拓矢九段(32)が挑戦している第66期王位戦七番勝負(新聞三社連合主催)の第5局が26、27の両日、徳島市の「渭水苑」で指され、挑戦者の永瀬九段が91手で勝ち、シリーズ成績を2勝3敗とした。永瀬九段は開幕3連敗の後の2連勝だ。第6局は9月9、10の両日、静岡県牧之原市の「平田寺」で指される。

将棋の第66期王位戦七番勝負第5局を終え、感想戦で対局を振り返る挑戦者の永瀬拓矢九段(右)と藤井聡太王位(左)=2025年8月27日午後4時19分、徳島市の「渭水苑」、佐藤圭司撮影

 まず、記者が驚いたのは、午後3時47分という終局時刻の早さだ。今期王位戦の終局時刻は、千日手指し直しになった第1局が午後7時51分、第2局が午後7時、第3局が午後6時6分、第4局が午後7時22分。午後3時台の終局は、タイトル戦では異例と言えるほど早い。

 王位戦は持ち時間各8時間の2日制で、第5局の消費時間は永瀬九段が6時間26分、藤井王位が6時間30分。両者とも1時間以上を残しての終局だった。劣勢になってからも幾度となく逆転劇を演じてきた藤井王位だが、本局は粘ることができないまま押し切られた。藤井王位にとって、2日制のタイトル戦で初の連敗となった。

 第5局は「角換わり」の戦型…

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