沖縄尚学―日大三 八回表沖縄尚学2死二塁、適時二塁打を放つ宜野座。投手近藤、捕手竹中=伊藤進之介撮影

 第107回全国高校野球選手権大会(朝日新聞社、日本高校野球連盟主催、毎日新聞社後援、阪神甲子園球場特別協力)は23日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で決勝があり、2年ぶり11回目出場の沖縄尚学が日大三(西東京)を3―1で破り、初の全国制覇を果たした。

 沖縄尚学は4番宜野座恵夢(えいむ)が六回に勝ち越し適時打、さらに八回にも適時二塁打を放った。いずれも2年生の新垣有絃(ゆいと)、末吉良丞の継投で日大三を1点に抑えた。

 沖縄尚学は、選抜大会では2度の優勝経験があるが、全国選手権大会はこれまで8強が最高成績だった。沖縄勢の優勝は第92回大会(2010年)の興南以来、2校目。

 日大三は第93回大会(11年)以来となる3度目の優勝をめざしたが届かなかった。

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決勝打は宜野座、拍手に包まれる

 沖縄尚学が初の全国制覇を遂げた。沖縄勢としても、15年前に春夏連覇を達成した興南以来となる夏の頂点だ。

 1点を争う試合で、決勝打を放ったのは3年生捕手の宜野座恵夢。ここまで2年生の投手陣を支えてきた。

 1―1で迎えた六回、宜野座は2死一塁で打席に立つ。一塁走者が二盗に成功した後、2球目の外角寄りのスライダーを引っ張った。本塁への返球の間に二塁を狙った走塁ではアウトになったが、ベンチに戻るときに球場は拍手で包まれた。

 宜野座は、勝負強い打撃で2回戦から5試合連続で安打を放っていた。今大会の1、2回戦では7番打者だったが、3回戦と準々決勝では5番に座り、準決勝からは4番打者になった。

 捕手としては末吉良丞、新垣有絃の左右の後輩投手をうまくリードし続けた。七回には、バックネット際へのファウルフライを好捕。攻守で仲間を鼓舞し続けた。

 追加点も宜野座。八回2死二塁で中堅に二塁打を放ち、二塁上で満面の笑みを浮かべながらガッツポーズ。沖縄尚学の夏初優勝を引き寄せた。(上山浩也)

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