第155回九州地区高校野球大会(九州地区高校野球連盟主催、朝日新聞社など後援)は30日、大分市の別大興産スタジアムで継続試合となっていた準々決勝の残り1試合が八回裏2死から再開され、沖縄尚学(沖縄1位)が鹿児島実(鹿児島2位)を破った。4強入りで、2年ぶりの選抜大会出場が有力となった。
準決勝は11月1日、柳ケ浦(大分2位)―エナジックスポーツ(沖縄2位)、西日本短大付(福岡1位)―沖縄尚学の組み合わせで行われる。
1年生エース・末吉が躍動
最速150キロで注目される1年生左腕・末吉の投打にわたる活躍で、沖縄尚学が来春の選抜出場を大きく引き寄せた。
鹿児島実の初戦を見て、「(打線は)変化球にタイミングが合ってない」と球速に頼らず、得意のスライダーなど変化球中心に組み立てた。ピンチにはギアを上げ、三、四回と続いた満塁の場面も切り抜け、終わってみれば4安打完封だった。
打っても、二、六回に適時打。「雨で抜けた変化球が多い」と、緩い変化球を狙った投手らしい読みもあった。
1年生ながらがっちりした腰回り。入学したときは95キロあったという体重は練習で上半身が絞れ、85キロまで落ちて、動きも軽くなった。
準決勝の相手は今夏の甲子園経験者も多い西日本短大付。「打撃が強いイメージがある。コースへの投げ分けを大切にしたい。投げる体力には自信がある」と意気込みを語った。(酒瀬川亮介)