河野太郎デジタル相は23日の記者会見で、自民党所属の国会議員に「マイナ保険証」を受け付けない医療機関の報告を呼びかける文書を配布したことについて、問題はないとの認識を示した。政府から自民党側に現場への「圧力」を依頼したと受け取られかねない動きだが、国会議員としての行動だと強調した。
マイナ保険証は、マイナンバーカードと健康保険証を一体化したもの。政府は今年12月2日に現行の保険証を原則廃止する方針を決定している。
だが、マイナ保険証の利用率が5%台にとどまる状況から、河野氏は「受付をしていない医療機関があれば連絡を」との文書を自民党議員に出した。一方、医療機関からはカードリーダーが読み取れないなどのトラブルが報告されている。
河野氏は会見で、「カードリーダーの設置と受け付けは義務化されている」と再度訴えたうえで、自民党に働きかけた点については「衆院議員として配布した」と説明した。だが、文書の差出人の肩書は「デジタル大臣」となっていた。(神野勇人)