袴田巌さんの死刑再審無罪事件をきっかけに高まった再審法(刑事訴訟法の再審規定)改正の行方が不透明になっている。先の国会で超党派の国会議員連盟が改正案をとりまとめたものの、自民党内がまとまらず、野党6党が共同で法案を提出。一方、法制審議会でも再審法改正の議論が始まった。この動きをどう考えたらいいのか。刑事司法改革に詳しい後藤昭・青山学院大学名誉教授(刑事訴訟法)に話を聞いた。
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――再審法(刑事訴訟法の再審規定)改正の動きをどう見ていますか。
「野党6党の改正案が、先の国会に提出されました。証拠開示や検察官の不服申し立て禁止の規定を新設するなど、超党派の国会議員連盟のとりまとめを踏まえたもので、方向としては適切です。法制審議会の答申を待たず、早く法改正が実現することを期待しています」
■大きな不祥事がなければ実現…