限定公開される法隆寺金堂壁画の収蔵庫内部=2024年5月10日、奈良県斑鳩町、西田健作撮影

 世界遺産の法隆寺(奈良県斑鳩町)は4日、1949年の火災で焼損した金堂壁画(国重要文化財)の現状を知ってもらい、壁画を保管する収蔵庫の改修費用を得るため、クラウドファンディング(CF)を実施すると発表した。

 壁画は7世紀後半~8世紀前半に描かれた。仏の世界などを表現し、東アジアの仏教絵画の至宝とされる。火災で焼損した後に壁ごと取り外され、合成樹脂や鉄枠で補強し、52年に完成した境内の収蔵庫で保管されている。

 CFは今回で5回目。支援者へのリターンとして10月20~31日(28日を除く)に収蔵庫を計880人に限定公開する。国宝の金堂内部をあわせて拝観できるリターン(88人分)も初めて用意する。本尊の釈迦三尊像や再現壁画(68年完成)を間近で鑑賞できる。

 収蔵庫見学は1口1万2千円、金堂拝観付きは5万円。午前10時~午後4時に8人ずつ30分交代で見学する。金堂拝観付きは正午の見学のみ。

 金堂壁画の将来的な一般公開を目指し、朝日新聞社と法隆寺が進める「法隆寺みらいプロジェクト」の一環。今回の目標額は900万円。受け付けは、朝日新聞社のCF「A-portみらい」(https://a-portmirai.asahi.com/)で。10月31日まで。見学なしの寄付(1千円から)もできる。

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