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高橋さんらが請求し、一部黒塗りの状態で公開された犠牲児童・生徒の資料

 東日本大震災の津波で、児童・生徒はどのようにして被害に遭ったのか。宮城県教職員組合は震災後、情報公開請求によってその実態に迫ろうとした。当時の調査を主導したみやぎ教育文化研究センターの高橋達郎所長(69)に聞いた。

 ――調査のきっかけは?

 2012年4月に宮城県教組の委員長になった時、学校における被害をしっかりと把握したいと思いました。文部科学省は12年1月、被災3県の幼稚園と小中高校、特別支援学校などにアンケートし、同年3月に報告書「平成23年度東日本大震災における学校等の対応等に関する調査」を発表しています。報告書を読んで、疑問を抱きました。

 ――どんな疑問ですか?

 報告書では震災時に学校側が取った行動や避難の方法がパーセンテージなどで表示されていましたが、学校別の犠牲者数も公表されていないし、児童生徒がどのような状況で亡くなったのかもわからない。どの地域の学校の被害が大きいのか、そこでの死亡理由がつかめなければ、検証はもちろん、対策も取れません。

 ――調査の手法は?

 文科省に各学校の回答票の開…

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