生きたかった青春を突然、奪われた若者たちがいる。東日本大震災で死亡・行方不明になった宮城県内の公立高校生は87人。みやぎ教育文化研究センター所長の高橋達郎さん(68)はその一人ひとりについて、あの時どう行動して津波にのまれたのかを、4年かけて調べた。彼らが残した「命を守るための教訓」とは。高橋さんが語った。
祖父母避難させようとして亡くなった例も
87人のうち、状況がわかったのは68人。自宅で津波に遭ったとみられるのは36人で、避難途中が27人、アルバイト中が5人でした。自宅と避難途中が全体の7割を占めます。
2011年3月11日、3年生はすでに卒業式を終え、1、2年生も学校の入試業務のため、自宅学習日でした。高校生の多くは、それぞれの地域で被災したのです。
犠牲者が出た高校は35校…