イカリを引き揚げ、からまったロープを解きほぐし切断する補修作業=2025年8月4日午前9時34分、三重県鳥羽市浦村町の生浦湾、小西正人撮影

 先月30日に発生したロシア・カムチャツカ半島付近を震源とする巨大地震で、三重県鳥羽市ではカキ養殖用のいかだが津波に押し流される被害を受けた。同市浦村町の生浦(おおのうら)湾では4日、地元漁業者らによるいかだの補修作業が始まった。生育中のカキへの影響は比較的軽く、10月の出荷への影響は少ないという。

 鳥羽市では先月30日午後11時27分、40センチの津波を観測。湾内のいかだ約370基がイカリごと湾の奥まで数十~数百メートル押し流された。うち約60基がカキ養殖中のいかだだった。

 地元の浦村かき組合の角田直樹委員長(58)によると、イカリがつながれたロープが、海中につるされた養殖用の種カキがついたロープにからまるなどしているという。

 4日は午前6時から、養殖業者やダイバーら約60人がイカリを引き揚げ、からまったロープを解きほぐしたり、切断したりする作業に追われた。作業は約1カ月続く見込み。東日本大震災の津波被害では補修に約3カ月かかったという。

 角田さんは「幸い、カキの多くは無事で、今のところ10月の出荷に大きな影響は無さそう」としながら、いかだやロープなど資材の補修コストが心配だという。「今年のカキの出来は良い。10月にはおいしいカキをお届けしたい」と話した。

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