建設現場に設置されたクールスポット。クーラーの冷風で体を冷やせる=6月、京都市中京区

 今年の夏も暑くなりましたね。9月もまだまだ残暑が厳しく、日中は真夏のような気温になる日も少なくありません。こうした状況の中で特に注意したいのが熱中症です。屋外だけでなく、室内でも発症する可能性があるため油断は禁物です。そこで今回は、2021年から全国に運用が広がった「熱中症警戒アラート」について、理科的な観点からその仕組みを解説したいと思います。

 熱中症警戒アラートとは、気象庁と環境省が連携して発表するアラート情報です。熱中症による体調不良などを防ぐ目的で運用されており、暑さ指数(WBGT)が33以上になるときに発表されます。

 暑さ指数というのは気温だけでなく、湿度や日射量も総合的に評価した指標です。気温、湿球温度(湿度の影響を反映)、黒球温度(放射熱の影響を反映)の三つの要素を組み合わせて算出されます。その計算式で特に大きな割合で考慮されるのは湿球温度、つまり湿度の影響です。

 なぜ湿度がそれほど重要なの…

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