東京都千代田区の日本武道館で15日に開かれる全国戦没者追悼式に、静岡大教育学部付属浜松小学校4年の大石和明(かずあきら)さん(9)=浜松市=が参列する。18歳未満の青少年代表として献花する6人の1人だ。
曽祖父が小笠原諸島の母島で戦病死した。1945年8月15日、栄養失調だったと伝えられている。式典を前に浜松市役所で報道陣の取材に応じた和明さんは、「戦争は絶対してはいけない、絶対忘れてはいけない。ぼくたちの日常生活にありがとうございますという気持ちで花を捧げる」と語った。
祖父は、静岡県遺族会の前会長で、語り部の育成に取り組む大石功さん(80)。和明さんは毎週のようにおじいちゃんの家を訪ねては戦争の話を聞く。
小笠原諸島の様子や、遺骨が日本に戻ってきたときのこと、歴史を伝える新聞記事。海岸に遺体が並ぶ写真も見せてもらった。
「つらくなったけど、ちゃんと見た。日本を大切にしていた人たちの思いが伝わってきた」
功さんは戦後の食糧難の中で育った。取材に同席した功さんは、「衣食住で新しい地獄のような戦争が始まった」と話した。父親がいない苦労も味わった。自身の経験も、いずれは和明さんに伝えようと思っている。
終戦から80年。戦争を語り…