(7日、J1 浦和3―0鳥栖)
浦和の得点には共通点があった。絡んだのはいずれも、開幕直後は「控え組」だった選手たちだ。
前半5分の先制点はMF岩尾がCKから演出した。試合の流れを決める後半8分の貴重な追加点はDF佐藤から。相手のパスを奪った直後に出したロングパスが起点となった。
練習で、主力組と他の選手たちを明確に分ける。それが18年ぶりのリーグ優勝を託されたヘグモ新監督のやり方だ。主力の連係が高まるメリットがある半面、控えが不満をためかねないリスクも抱えている。
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だが、出番に恵まれない選手たちは腐らなかった。今季湘南から加入したDF石原は開幕4戦ベンチ外で「構想外」が頭をちらついたが、「日々の練習が大事」。主将のDF酒井の欠場で右DFとして初先発をつかむと、90分間走って無失点に貢献。大黒柱の穴を埋めた。
鳥栖戦までの6戦で勝ち点8。昨季4位の実績に大型補強もあって期待されたが、スタートダッシュに失敗していた。相次いだけが人に替わった新たな顔ぶれが、巻き返しの起爆剤となり得ることを示してみせた。
MF岩尾はいう。「(控え組が)試合に出た時に違和感なくプレーをすることは、チームにとってこれ以上ないこと」
定位置争いは、チーム力の底上げにつながる。2試合ぶりの白星は、勝ち点3以上のものをもたらしそうだ。(藤野隆晃)
ヘグモ監督(浦) 「立ち上がりから守備の圧力をかけられた。コンセプトを理解してプレーした選手に感謝したい」
川井監督(栖) 5戦勝ちなし。「失点が早く、浦和に余裕をもってパスを回された。残念な試合になってしまった」