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浦和学院の落合隼飛選手=2025年5月4日午前10時11分、県営大宮球場、恒川隼撮影
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 春季県高校野球大会(県高野連主催、朝日新聞社後援)は4日、県営大宮球場で決勝があり、浦和学院が7―2で叡明を破って3年ぶり18度目の優勝を果たした。両校は17日から茨城県で開催される関東大会に出場する。叡明の同大会出場は春秋通して初。

 「絶対本塁へかえす」。二回、無死三塁の好機に浦和学院の落合隼飛(はやと)捕手(3年)は打席に立った。初打席の2球目。狙い通りに打ち抜いた内角の直球は右翼席へ。先制点を呼び込む本塁打に「ようやく、ようやく」と喜びが爆発した。

 昨夏は7番を任され、新チームでは扇の要としてだけでなく打力でも貢献できると思った。しかし昨秋の県大会。浦和実に0―4で敗れた準々決勝は自身も無安打に抑えられた。

 「悔しさで泣きそうになった」。圧倒的な後悔の中で練習に明け暮れた。毎日2時間以上素振りを続け、この冬でスイングスピードは10キロ上がった。

 勢いづいたチームはその後も2得点。「今日なら打てる」。五回は2死一、三塁の打席で3球外されてから申告敬遠に。残念だったが、スタンドからの「落合に申告敬遠かよ」に思わず笑みがこぼれた。怖いと思われる打者になれたんだ。

 「関東大会でも目指すは優勝。横浜のような強豪校にどこまでできるか試したい」。試合後、更なる飛躍を誓った。

     ◇

 六回表、遊撃手として出場していた叡明の田口遼平選手(3年)は投手としてマウンドに上がった。二回から毎回失点して試合も中盤。5点を追う叡明は追加得点を許せない。二枚看板の先発・増渕から引き継いだ。「自分が守ってつなげなければ」

 2死二塁。打席には相手の4番が立つ。前日とこの日、2試合連続で本塁打を放つ絶好調の主砲。初球はインコースにストレート。2球目は外のスライダーで打者の目線をずらした。

 そして3球目。この球と決めていた。初球と同じインコースのストレート。三塁ゴロに打ち取りこの回を締めた。「全部が勝負球だった」。流れを止め、2得点を挙げた七回の反撃を呼び込んだ。

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