春の運動会シーズンがやってきた。昔と今で様変わりした面もあるが、最近、小学校が舞台のドキュメンタリー映画を撮った山崎エマ監督は、「運動会は日本独自の教育」との思いを新たにしたという。集団教育は両刃の剣だが、「個」を生かす取り組みも進化していると。運動会の何が変わり、何が変わらないのか。
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同調圧力のような危険性も
東京都世田谷区の公立小学校を2021年度の1年間、撮影したドキュメンタリー映画「小学校~それは小さな社会~」で、運動会を山場の一つにしました。日本の学校の特徴である、生活面も教育対象と捉えていることを、象徴する場面だと考えたからです。
私は20年以上前、大阪の公立小学校に通っていたとき、6年生の組み体操でピラミッドをやりました。初めは絶対にできないと思ったことが、仲間と力を合わせ、先生に導かれて、数週間かけてできるようになっていった。緊張感のある本番で成功して、達成感を味わった体験は、その後の人生で役に立っています。
一方、中学時から入ったイン…