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なると金時を生産する畑にかけられた「マルチ」が、無機質な幾何学模様をつくり出した=2024年5月10日午前11時31分、徳島県鳴門市、朝日新聞社ヘリから、林敏行撮影
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 徳島県鳴門市で、特産のサツマイモ「なると金時」の植え付け作業が、最盛期を迎えている。

 上空から見ると、畝(うね)にかけられた「マルチ」という黒いシートが、海沿いの砂地を生かした畑にパッチワークのような風景をつくっていた。シートは畝の消毒や殺菌、保温や保湿を目的に設置されているという。

 「里むすめ」のブランド名でなると金時を出荷するJA里浦では、約330ヘクタールの農地で約250戸が生産する。苗の植え付け作業は5月下旬までがピーク。苗の生育や作業は順調で、6月下旬に芋の出荷が始まり、お盆ごろには出荷の最盛期を迎えるという。

 物価高と円安で、農薬や肥料、マルチや箱などの資材価格は高騰している。生産や物流コストが上がり続ける一方で、作物の小売価格は現状維持や低下の傾向にあるという。

 JAの担当者は「農家の収入減で、農業の維持が難しい状態になっている。価格転嫁して欲しい」と危機感を訴える。(林敏行)

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