千葉県木更津市の木更津港で、砂利採取運搬船(ガット船)が竣工(しゅんこう)した。三栄港運(木更津市)の船で、船名は「第1紀勢丸」といい、同社にとって33年ぶりの新造船だ。コンクリートや埋め立てで使う山砂を内房地域から首都圏へ運び、日本の発展を支えてきた木更津港の象徴的な存在であるガット船。だが、いま、山砂の需要の低迷、船の老朽化、停泊している姿が景観にふさわしくないといった逆風にさらされ、減少している。
第1紀勢丸は全長46メートル、幅12.5メートルで、総トン数は499トン、積載重量は1658トンになる。山砂などを積み下ろす長さ22.5メートルの「ガットクレーン」が備え付けられている。
良質な山砂が採れる内房地域は、ガット船で山砂を東京湾の対岸へ送り込み、高度成長期以降の首都圏の発展を下支えしてきた。
しかし、その運搬量は羽田空港拡張工事がまだ行われていた2007年は1041万トンあったが、工事が終了した10年には465万トンに。その後は年間400万トン前後で推移している。
ガット船の数も、08年には木更津港で54隻あったが、今は39隻に減少している。
減少するガット船、新造船決断の背景は自負
減少した理由の一つが老朽化…