株主に事業報告するJR九州の古宮洋二社長=2025年6月20日、福岡市

 JR九州の古宮洋二社長は20日の株主総会で、日韓高速船「クイーンビートル」の事業廃止につながった浸水隠蔽(いんぺい)事件について、「ご迷惑とご心配をおかけした」と謝罪した。株主からは船体を選定した当時の経営陣や、造船会社の責任を問う声が出た。

 古宮社長は事業報告の冒頭で謝罪した後、グループ会社への監査などガバナンス強化策を説明し、理解を求めた。

 質疑では、船首部分の強度不足が原因だったことから、建造したオーストラリアの造船会社オースタル社について、株主から「損害賠償に発展することはないのか」と問う声が出た。しかし、担当役員は「保証期間が過ぎているため、損害賠償請求はできない」という見解を改めて示した。

 また、2017年に船体を選定した当時の経営判断をめぐり、「選定自体の責任が明確にされていない。最終承認したのは誰なのか」と責任の所在を問う声も出た。古宮社長は「(JR九州)本体も承認した」と説明した一方で、当時の経営幹部の責任には触れず、「反省材料としていかしていきたい」と述べるにとどめた。

 クイーンビートルは福岡市の…

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