口頭弁論後に会見する原告の岩見沢地区消防事務組合職員ら=2024年9月2日、札幌市中央区、上保晃平撮影

 北海道岩見沢市に本部がある岩見沢地区消防事務組合の職員24人が条例や規則通りの手当が支払われていないとして、組合を相手取り、過去3年分の未払い賃金計約3300万円の支払いを求めた訴訟の第1回口頭弁論が2日、札幌地裁(吉川昌寛裁判長)であり、組合側は請求を退けるよう求めた。

 原告らは24時間ごとの交代制でシフトを組み、火災や救急、救助の現場で働いている。

 原告側は、市の条例や規則では、休日に勤務した場合に賃金が35%割り増しされる手当が定められているが、支払われていないと主張。火災や救急の出動などに対する特殊勤務手当も大半が未支給だとして、2020年12月~23年11月分の支払いを求めた。

 原告の一人、安川浩樹さん(50)は「手当の未支給は職員の士気低下につながり、住民の命にも関わる」と意見陳述した。

 組合側は、休日勤務手当を原告らに支給していないことを認めた上で、原告らの勤務状況を精査し、不支給の根拠を追って主張するとした。特殊勤務手当については、現場出動のなかでも著しい危険がある場合などに支給するものだとして、「支給基準に照らして対象となるものは全て支給している」と反論した。(上保晃平)

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