明日への一石~大変革期を考える

記者解説 国際報道部・喜田尚

 自民党の総裁選が22日に正式に始まる。候補者はこれから日本が世界でどのような位置を占めるべきかを語ることが期待される。

 国際社会は今、混迷の中にある。人道危機を止めるため、ロシアのウクライナ侵攻やイスラエルのパレスチナ自治区ガザ攻撃を、早く終わらせなければならない。しかし、力を背景とする「ディール」(取引)が広がれば、大戦後の国際秩序の根幹である「正義」がないがしろにされてしまう。

 ウクライナ侵攻が始まった2022年以降初となる米ロ首脳会談が、米アラスカ州で8月15日にあった。直後にトランプ米大統領がテレビで語った言葉は衝撃的だった。「ウクライナにはディールをしろ、と言う。ロシアは大国だが、彼らはそうではないからだ」

ポイント

 ウクライナ侵攻やガザ攻撃を終わらせるには「公正な平和」の考え方が欠かせない。国際社会の結束に向け、米国の同盟国は「二重基準」を見直すことが求められる。力の支配が世界に広がろうとする今こそ、法の支配を守ることが日本の利益になる。

 侵略される側のウクライナに…

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