「刑事裁判の冒頭、裁判長が被告人に何を伝えた?」「休日や深夜、裁判官が裁判所に宿直する目的は?」――これ、今年の中学入試で出た社会の問題です。
大人でも解くのが難しい問題を出したのは、千葉市の進学校「渋谷教育学園幕張中学校」。浜学園の松本茂学園長と同中高を訪れると、進路部顧問の井上一紀教諭が出題の意図や狙い、そして身近なニュースに触れる大切さについて、教えてくれました。
――出題した狙いは?
井上 知識の多寡を問うているのではありません。問題文にヒントはあり、そこから想像力を広げていく。こうした知識が社会の中でどう使われているか、身近に引き寄せて考えられるかという応用力を見たいと思いました。
松本 裁判所は一見、日常から離れているように見えるかもしれません。でも、持っている知識で想像できたり考えついたりできる。それを入試という限られた時間でいかに速く正解に結びつけるか、スピード感が問われていますね。
「ライドシェア」を知らなくても
――では、小学生が解けるようになるにはどうしたらいいですか?
井上 世の中に関心や疑問を…