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 将棋の藤井聡太名人(21)=竜王・王位・叡王・王座・棋王・王将・棋聖と合わせ八冠=に、豊島将之九段(34)が挑む第82期将棋名人戦七番勝負(朝日新聞社、毎日新聞社、日本将棋連盟主催)の第5局が26、27日に北海道紋別市のホテルオホーツクパレスで指される。

第82期将棋名人戦七番勝負第5局が指されるホテルオホーツクパレス=2024年5月22日午後4時34分、北海道紋別市、神村正史撮影

 紋別市内では、将棋関連の展示が行われたり、対局時に提供される「勝負めし」が決まったりと、名人戦ムードになっている。

 紋別市が市制施行70周年を迎える今年、名人戦を記念事業として誘致した。地元の実行委員会事務局である市秘書課によると、紋別市で将棋のタイトル戦が行われるのは、2004年の市制施行50周年の際、第45期王位戦七番勝負の第2局が行われて以来2回目。この時もオホーツクパレスで指された。

 藤井名人は第4局までに3勝しており、紋別市が初防衛を決める舞台となる可能性もある。

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ミニ展示「紋別と将棋の関わり」が開かれている紋別市立博物館=2024年5月22日午後3時59分、北海道紋別市、神村正史撮影

 市立博物館では、6月30日までミニ展示「紋別と将棋の関わり」を開催。15枚のパネルを使って、藤井名人と豊島九段のプロフィルや名人戦の流れ、プロ棋士勝浦修九段の出身地である紋別市と将棋との関わりなどを紹介している。

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ミニ展示「紋別と将棋の関わり」の会場。6月30日まで開かれている=2024年5月22日午後4時22分、北海道紋別市、神村正史撮影

 さらに、藤井名人と豊島九段の等身大パネルや、20年前の第45期王位戦七番勝負の第2局での「封じ手」なども展示している。

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20年前の第45期王位戦七番勝負の第2局での「封じ手」も展示されている=2024年5月22日午後4時24分、北海道紋別市、神村正史撮影

 担当の本橋里奈さんは「パネルは初めてタイトル戦を見る人にも分かっていただけるように作りました。なぜ紋別市で将棋なのかも知って欲しい」と話している。

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ミニ展示「紋別と将棋の関わり」の会場で、パネルの説明をする本橋里奈さん=2024年5月22日午後4時5分、北海道紋別市、神村正史撮影

 対局時に提供される「勝負めし」にも注目が集まる。「勝負めし」をまとめたメニューブック(https://mombetsu.jp/assets/images/news/news_20240516_172513.pdf別ウインドウで開きます)が作られており、この中から、藤井名人と豊島九段に対局当日の昼食やおやつ、軽食を選んでもらう。

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「勝負めし」のメニューブック。藤井名人と豊島九段がこの中から選ぶ=神村正史撮影

 対局者にオホーツク海に面した地域の食の魅力を感じてもらい、対局の力の源にしてもらおうと、紋別市が「勝負めし」を市内の飲食店を対象に募集。18店から計37品の提案が寄せられ、全品が採用された。

 うちわけは2回の昼食に選んでもらう「勝負めし」に12品、午前、午後にある「勝負スイーツ」に20品、2日目の午後5時の休憩に選んでもらう軽食に5品となっている。

 紋別漁協のホタテを使用した「ホタテチャーハン」、紋別産のズワイガニとホタテ、滝上産のアスパラを使用した「ずわい蟹(がに)と帆立(ほたて)のクリームパスタ」など、全37品が「渾身(こんしん)の一撃、渾身の逸品になっている」(市秘書課)という。

 これらのメニューは来年3月まで、提案した各店で提供される。

 石田明久・市秘書課長は「どれも甲乙つけがたい逸品であったことから、応募いただいた全品を勝負めしとして採用し、対局はもとより、紋別市の食の魅力を広く市内外へ発信していきたい」と話している。(神村正史)

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