トランプ米大統領が15日、ウクライナ侵攻を続けるロシアのプーチン大統領と米アラスカ州アンカレジで会談します。停戦への道筋は見えるのでしょうか。元ベテラン米外交官で現在は米タフツ大学フレッチャー法律外交大学院で教えるドナルド・ヘフリン上級研究員に聞きました。
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――会談で何を期待しますか。
残念ながら実りある結果はもたらさないと思います。
歴史を振り返ると、一般的に和平交渉がうまくいくのは、一方または双方が戦争を終結させたいと本気で考えている場合や、一方が軍事的に圧倒している場合、一方または双方が領土を譲渡する意思を示す場合です。ウクライナとロシアはともに領土問題で譲るつもりがなく、軍事的にほぼ互角の状態で、いずれにも当てはまりません。
第三の勢力が介入して和平交渉が成功する場合もありますが、現在の米国は両当事者に対して大きな影響力を持っていません。ウクライナには多くの武器を供給していますが、欧州も供給を増やしています。また、対ロシア制裁を強化しても、すでに非常に厳しい制裁を受けてきたロシアは恐れないでしょう。
もう一つの問題点は、とても…