人材難に苦しむ漁業界に変化が訪れている。体力面で厳しく、「経験と勘」に頼りがちな業界の「常識」を打ち破る活路が、インターネットやAIの技術による「スマート水産業」にある。
夜明け前、福岡県宗像市の漁師、占部旭さん(49)はスマホでアプリを起動する。画面には、これから「大国丸」(7.9トン)で向かう玄界灘の地図が映し出される。
地図上には、場所によって異なる水温、潮の向きや速さ、塩分濃度といったデータが数字や色で表示される。
「魚がいそうな潮の流れを確かめ、狙うポイントを決める」
5~12月はマダイ、1~3…