Smiley face
写真・図版
溶かしたペットボトルのふたや流木、釣り糸などでつくられた楽器「ステラレバリウス」を手にする大表史明さん。部屋にはこれまでに制作した数々の海洋ごみ楽器や、拾い集めた材料が置かれている=2025年5月15日、名古屋市昭和区、内田光撮影

 ステラレバリウス。それがこの弦楽器に付けられた名前だ。文字通り、海辺に「捨てられ」ていたごみなどから作られた。その色と音色は室内だけでなく、野外にもよく似合う。

 青いマーブル模様のボディーは、ペットボトルのふた約300個をホットプレートで溶かして成形し、ネックやペグ(糸巻き)は流木から削り出した。弦の張りが緩まないように、ペグの滑り止めには紋甲イカの骨を粉状にしたものを使っている。

写真・図版
溶かしたペットボトルのふたや流木、釣り糸などでつくられた楽器「ステラレバリウス」=2025年5月15日、愛知県知多市、内田光撮影

 重要なのは何と言っても4本の「弦」だ。特に、12本の細い釣り糸を束ねている最も低音側の弦が難しい。弓でこする演奏はできるが、指ではじく奏法だと糸同士が擦れて「じゃりっ」という音になってしまう。

 理想は「ポロン」という音。それを実現するために、初めは「巻き弦」に挑戦した。

【動画】海洋ゴミ楽器「ステラレバリウス」の弦=大表史明さん提供

記事の後半では、実際の楽器の音色を動画で聞くことができます。

 自転車のブレーキに使われて…

共有