政府の火山調査研究推進本部(火山本部)は、火山灰などの噴出物を一括して分析する拠点を、設ける方針をとりまとめた。これまで個別の大学や研究機関がそれぞれ収集し、分析していた体制を見直し、国が一元的に火山の状況を把握することで、避難情報など防災につなげる狙いがある。
火山本部が設置するのは「火山噴出物分析センター」(仮称)で、防災科学技術研究所(茨城県つくば市)内に、噴石や火山灰、火山ガスの組成などの分析装置を備えた施設をつくる。
火山活動の予測は、マグマの移動に伴う地震の観測や、山体の膨張などのデータが使われる。さらに噴火した後は、火山灰や噴石など噴出物の成分を調べることで、地下のマグマの状況を推定し、より活発になるかや、いつまで続くか見通しを立てる。
新設するセンターは、全国の火山で噴出物を収集し、国として分析、保管する。その上で、噴火や火山活動の予測精度向上をめざす。大学では対応が難しかった、噴火が数年以上続くような火山災害の発生も見据え、分析に専従する職員の配置を目指すとしている。
米国、アイスランド、イタリ…