高齢者や障害者の生活を支えるホームヘルパーの4分の3が、頭痛やめまいなど熱中症のような症状を経験している――。災害級の暑さと言われた今夏、訪問介護・移動支援を担うヘルパーを対象に実施中のアンケートで、そんな実態がわかった。現場からは「危険手当」などの支給が必要という声があがる。
アンケートは介護関係者や家族、研究者らで構成する「ケア社会をつくる会」が実施。8月末から同会ウェブサイト(https://caresociety.net/
8日時点の中間集計では約580人が回答。熱中症のような症状がでたことがあるか聞いたところ、「よくある」(11%)、「時々ある」(36%)、「まれにある」(29%)で、4分の3が熱中症疑いの症状を経験していた。
脱水状態で動けず
「帰宅後、脱水状態で動けず、嘔気(おうき)(吐き気)で水も飲めず、病院にも行けなかった」「頭痛やだるさを感じることが多くあるので日常的に痛み止めの薬を服用している」
自由記述の声からは、熱中症リスクと隣り合わせのケアの実態が浮かびあがった。
具体的な症状(複数回答)では、だるさ(73%)、頭痛(58%)、めまい(34%)などが多かったが、嘔吐(おうと)、意識障害などの報告もあった。
自転車やバイク・車などでの移動中だけではなく、訪問先での暑さを訴える声も目立った。電気代節約などでエアコンをつけない利用者が少なくないほか、空調が利いていない台所やトイレなどでの業務があるからだ。
自由記述には「家の掃除を行うとシャツが絞れるほど汗をかき、めまいを感じる」「トイレ掃除中にめまいが起こり、手すりにつかまり座り込んでしまった」「入浴介助も拷問のよう。マスクも着けなければならない決まりだし、息切れやめまいで倒れそうになる」など切実な訴えがあった。
ヘルパーたちはそれぞれの工…