神戸市中央区のマンションで住人女性(24)を殺害したとして22日に逮捕された谷本将志容疑者(35)は、東京都新宿区にある運送会社で働き、事件があった20日は夏季休暇中だった。
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勤務先の社長(55)はニュースで逮捕を知り、「地元の神戸に帰るとだけ聞いていたが……」と絶句した。
社長によると、谷本容疑者は2023年5月の入社。大手求人サイトを通じて採用面接の申し込みがあったという。
「まじめでおとなしい青年」
社長が神戸から上京してきた理由を尋ねると「悪い友だちと関係を切るため」との説明があったといい、「応援してあげようと思った」。第一印象は「まじめでおとなしい青年」だった。
谷本容疑者は社員寮のワンルーム(4畳半)に住み込み、朝6時半に出勤。トラックでお酒を都内のレストランや居酒屋に運んだ。
数百万円の借金、給料は前借り
会社の飲み会にも参加し、約40人いる同僚らとも朗らかにコミュニケーションを取っていた。ミスも少なく、最近では大口の顧客も任せられるほど信頼を得ていたという。
ただ、入社時点で数百万円の借金がある、と説明し、手取りで月30万円ほどの給料から毎月5万円ほど前借りを依頼。「父親が入院しており、母がその面倒を見ていてそのお金もかかっている」と話していたという。
社長が今年初めに「運行管理者」の国家資格を取るように促すと、「前の会社に戻ってこいと言われている」と断られた。
「ちゃんと戻ります」
「前の会社」は3年前まで1…