イスラエルによるイラン攻撃、そして米国による核施設への空爆は世界に大きな衝撃をもたらした。急転直下で締結された停戦合意は維持されるのか。無法にも見える一方的な軍事力行使に踏み切ったトランプ政権の意図はどこにあり、どのような影響を及ぼすのか。米国の政治外交史と現代政治を専門に研究する東京大学の梅川健教授に聞いた。
――米国はイランの核施設の空爆で、国連安全保障理事会に諮ろうとさえしませんでした。法の支配からの逸脱ではないですか。
「国際法違反とみる国際法専門家は多いでしょう。ただし、今回の攻撃に関しては、無法に見えつつも、米国内で近年、積み重ねられてきた理論に沿った行動だった側面があります」
――米国は大統領が勝手に戦…