お米が急激に値上がりするなかで、本来なら高価なはずの無農薬米の方がむしろ安いというケースが出ている。農家が固定客に直接売る形が多く「ずっと買ってくれた人たち」とのつながりがあるためだ。無農薬米は手間がかかるだけに、買う側には喜びも戸惑いもあるようだ。
玄米5キロ3千円。「ふくおか合鴨(あいがも)水稲会」の中島秀虎(ひでとら)さん(65)がアイガモ農法で育てた無農薬米だ。別の農法で育てた白米5キロ2600円の減農薬米もある。これらは量が限られるため、昔からの固定客にしか売っていない。
「もうずーっと、この値段。米が安い時から買ってくれた今のお客さんが大事やけんね」
近くのスーパーでは1年前まで2千円前後だった白米5キロが、いまは4千円を超す。
「上げんといいとですか」
買いにくる固定客から値段を…