連日、真夏日や猛暑日を記録する中、手に持ったり首からかけたりして使う「携帯扇風機」について、誤った使い方をすると、熱中症や事故の危険性があるとして、メーカーや消費者庁などが注意を呼びかけている。指摘される三つの危険について取材した。
1点目は、熱中症のリスク。「炎天下では、ドライヤーで熱風をあてられている状態になりかねない。風が不快に感じたら、使わないでほしい」
東京曳舟病院の三浦邦久副院長(59)は、夏の携帯扇風機の利用について、こう注意を呼びかけている。
汗には体温調整の機能があり、気化する時に体温が下がるが、携帯扇風機で汗が乾くと、体温が下がりにくくなるという。そこに体温以上の熱い風があたれば、皮膚の表面温度は上がってしまうという。
屋外での使用を控える目安は、30度前後と指摘。身長が低く、地面から放出される「放射熱」を受けやすい子どもは、より注意が必要だという。
米環境保護局(EPA)が公表している異常高温対策の手引きにも、同趣旨で携帯扇風機の使い方について注意喚起する記述がある。
三浦副院長は、夏の炎天下での利用時は、霧吹きなどを用いて、水で体をしめらせ、その上から使うのが有効だと話す。
機器メーカー「エレコム」(大阪市)の担当者も、猛暑日などには、ぬらしたタオルやハンカチを首などにあてて、そこに風を向けることを薦める。
発火や破裂の危険、注意点は?
2点目は、製品の発火や破裂…