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公正取引委員会

 山形県などが発注する畜産の牛・豚用ワクチンの入札で談合を繰り返したとして、公正取引委員会は13日、動物用医薬品などの卸会社3社の独占禁止法違反(不当な取引制限)を認定し、うち2社に排除措置命令と計567万円の課徴金納付命令を出した。

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 発表によると、3社は小田島商事(岩手県花巻市)、アグロジャパン(新潟市)、MPアグロ(北海道北広島市)。MPアグロは公取委の調査開始前に違反を取りやめ、課徴金減免制度(リーニエンシー)を使って違反を申告しており、処分を免れた。

 発表によると、ワクチンは家畜伝染病の豚熱用などで、市場規模は年間計約6千万円。各社は遅くとも2020年から23年10月に、山形県と同県畜産協会が発注した牛・豚用ワクチンの入札などで、事前に受注企業や受注価格を決める談合を繰り返していたという。

談合やめて落札価格低下

 公取委は昨年10月、3社がワクチン価格の下落を防ぎ、利益を確保するために談合を繰り返したとみて、立ち入り検査をして調査を進めてきた。談合を取りやめた翌年度、動物1頭当たりの豚熱ワクチンの落札価格は25円ほど下がったという。

 山形県の畜産は「米沢牛」などのブランドで知られる。農林水産省によると、豚熱は18年に国内で26年ぶりに発生し、23年9月までに36万頭以上の豚が殺処分された。ワクチン接種は19年から始まり、20年9月に山形県が接種推奨地域に指定された。

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