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第一生命経済研究所の熊野英生・首席エコノミスト

 衆院選で自民・公明の与党が過半数割れしたことについて、第一生命経済研究所の熊野英生・首席エコノミストは、石破茂政権が明確な物価高対策を示せなかったことも一因だと指摘します。与党が国民民主党などの野党との連携が必要となったことで、日本経済の活性化に必要な構造改革が遅れることを懸念します。

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 総務省の家計調査によると、家計の消費支出に占める食費の割合を示す「エンゲル係数」は29.9%(2023年9月~24年8月の平均)になり、1978年以来の水準に上昇しました。

 一般家庭は、食料品の価格が高騰した分だけ収入が増えないことに脅威を感じています。しかし、与党から物価高を解消するための明確な道筋は示されなかった。賃上げの必要性は強調されたが、どう実現するのかが分からない。低所得者への給付金を打ち出しても、それは本質的な解決策ではない。物価上昇を止めて欲しいというのが、有権者の願いだったのでしょう。

「ばらまき」強まり、構造改革進まぬ恐れ

 政権運営で野党との連携が必要になると、これから打ち出す経済対策の財源の裏付けとなる補正予算案は大規模になることが見込まれます。ガソリン・電気代の支援策や一律の給付金などの「ばらまき色」が強まる可能性がある。給付金を家計にばらまいても、日本経済が成長するわけではない。それなのに、ばらまきが繰り返されそうなことが残念でなりません。そもそも、財政支出を増やすほど、物価高を加速させるという矛盾をはらみます。

 短期的な人気取りの政策を追…

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