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マンション管理士の瀬下義浩さん(右)と話す筆頭監事の赤松初日さん=2024年5月17日、東京都渋谷区、山田史比古撮影
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 東京・原宿。

 若者や外国人観光客でにぎわう駅前から数分も歩けば、静かな住宅街が広がる。

 地上7階建て、35戸の「第15宮庭(きゅうてい)マンション」。1971年に完成した。

 2021年、このマンションの管理組合は大きな決断をした。

 マンションでは、各住戸を所有する区分所有者が組合員として管理組合を構成する。一般的には、一部の区分所有者が理事などの役員となって組合を運営。理事長が管理者となり、管理の業務は総合的に管理会社に委託することが多い。

 第15宮庭マンションでは、管理者の業務そのものを外部に委託する「外部管理者」方式をとることにした。現在も管理組合はあるが、理事はいない。管理者を務めているマンション管理士の瀬下義浩さん(62)は、このマンションの区分所有者ではない。

 瀬下さんは、もともと、当時の理事長の相談を受け、2014年に管理組合の顧問(1年後からは監事)に就任した。築年数が古くなり、住民の高齢化も進むなかで、管理規約の改定や長期修繕計画の策定、オートロックや宅配ボックスの導入などにかかわってきた。

 完成から時間がたち、高齢化が進むマンションでは、理事のなり手不足に陥ることも多い。年数や状況に応じて管理の見直しを進めようにも、専門的な知識がないと難しい。

 「マンションのマネジメントは、我々にはわからないことばかり。法律に強く、知識も、業者などとの人脈もある人に管理者をしてもらうことは、リスクヘッジにもなる」

 区分所有者の赤松初日さん(38)は話す。

 2021年6月、区分所有者らが集まる通常総会で、専門家である瀬下さんに管理者を担ってもらうことを決めた。

 あわせて、第三者である瀬下さんによる業務執行や会計処理などに問題がないかを監査するため、3人の区分所有者が監事となる態勢に変更。赤松さんが筆頭監事に就いた。

 瀬下さんの任期は1年だ。以降、毎年の通常総会で、任期更新を承認されている。

 ただ、区分所有者が多くの場合ボランティアで参画する運営方式とは異なり、外部の専門家である瀬下さんへの報酬が発生する。

 管理業務と、会計業務なども…

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