理工系学部の入試に女子枠を設ける動きが広がっています。文部科学省や各大学への取材によると、2024年度にあった入試では国公立29大学が理工系学部に女子枠を設けていました。
女子枠は今後も増えるのか。課題は何か。河合塾教育研究開発本部の近藤治主席研究員に聞きました。
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女子枠が広がる背景には、まず、国が理工系人材の充実を図っていることがある。日本は女性の理工系人材が非常に少ない。
また、急速に少子化が進み、受験人口が減っている。共学化する女子大が増えているのと同様に、女性に理工系の門を開放するようになるだろう。
女子枠で成功している大学は
現状は、女子枠が学生募集に直結している大学と、そうでない大学とで二極化している印象だ。難関大学や首都圏の大学は比較的成功していると感じる。一般入試でも同じ傾向だ。
人口減が先行する地方では、もともと女子が少ない理系に女子枠を設けても、志望者がまだ少なく枠が埋まらないケースもある。
ただ、模擬試験の志望状況から、女子枠を設けた大学が注目を集めていることが分かる。アピール材料にはなっている。
今後の動向占う3大学
25年度実施の入試でも女子…