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 環境省は28日、1月から実施したパブリックコメントに、20万件超の意見が寄せられたことを明らかにした。異例の多さで、約96%は全く同じ意見が重複。同日会見した浅尾慶一郎・環境相が、危機感を示す一幕があった。同様の現象が他省庁でも起きている一方、意見を募集する側が制度の運用に懸念を表すことへの批判も呼んでいる。

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会見で発言する浅尾慶一郎環境・原子力防災相=2025年3月28日午前8時55分、環境省、杉浦奈実撮影

 問題となったのは、東京電力福島第一原発事故に伴う除染で出た土(除染土)の再生利用を進める省令改正案についてのパブコメ。改正案は、現在福島県双葉町・大熊町の中間貯蔵施設に保管されている除染土について、公共工事に使う際の基準などを定めたもの。パブコメは1月17日から30日間募集した。

 同省によると、届いた20万7850件のうち、句読点や改行なども含めて完全に一致した意見を1件としてまとめると8277件となるという。批判的な内容が多く、例えば、「改正案に反対」といった内容の同じ文章は約1万件あったとしている。大半は無記名だったが、同一の名前を使って1千件以上提出する例も複数あったという。

経産省でのパブコメでも「確認作業に膨大な時間」

 28日の会見で、浅尾環境相…

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