絶滅危惧種のヤンバルクイナ
2023年6月27日 17:00(日本時間)
絶滅危惧種やその他の種の凍結細胞は、将来の世代を含む科学者にとって貴重な遺伝資源です。
国立環境研究所(NIES)は、種の減少の原因に関する研究と、種に影響を与える感染症との戦いなど、生物を保存する取り組みをより適切に支援するために、全国のさまざまな場所に冷凍保存タンクの設置を開始しました。
凍結保存タンクは、茨城県つくば市の国立環境研究所のほか、沖縄県と北海道の別の場所に設置予定または設置済みで、分散管理されている。

沖縄県に設置された細胞凍結保存タンク
その第一弾として、国立環境研究所は3月に沖縄県の沖縄美ら島財団にタンクを設置した。 北海道ではクラウドファンディングで700万円の調達を目指しており、今年度中に北大でもう1基の水槽の管理を始める予定だ。
国立環境研究所は、絶滅の危機に瀕する野生動物の遺伝子や細胞を保存する「タイムカプセル」プロジェクトを2002年に開始した。同研究所は、保存細胞を用いて鳥インフルエンザウイルスの病原性を調べ、希少な鳥類に高い病原性がある可能性を見出し、鳥類の飼育を主導した。施設の感染予防対策を強化する。
しかし、2011年の東日本大震災により国立環境研究所の実験棟が被災し、温度制御システムが停止するなどの理由でタンク内の温度が危機的な状況に陥りました。
そこで、冷凍保存タンクを各地に設置することが災害リスクを軽減する手段として認識されるようになりました。
NIESのタンクでは、環境省のレッドリストに掲載されている絶滅危惧種を含む計127種の体細胞や生殖細胞をマイナス160℃で冷凍保存している。 新設するタンクは、地元の研究機関などが利用しやすいよう、沖縄県のヤンバルクイナや北海道のオオワシなど、希少な在来種の細胞を主に凍結保存している。
国立環境研究所の大沼学主任研究員は「水槽の管理体制を強化し、絶滅危惧種の保全を進めたい」と話した。