ヴィヴィアーノ=ブランド提供

 2026年春夏シーズンの東京ファッションウィーク(楽天ファッションウィーク東京)が9月1~6日に開かれた。コロナ禍以降、多数実施されていたオンラインでの発表を今季から公式スケジュールの対象外とし、観客を入れるランウェーショーやプレゼンテーションに限定。単独ブランドによるショーは20件と、小規模なシーズンとなった。

揺るがない本質示す「肌」

 酷暑や各地で起きる災害を意識してだろうか。人間の皮膚と人工物である衣服の関係を問うような表現が目立つとともに、自然回帰への志向も感じられた。

 たとえば、設立3年目にしてJFWネクストブランドアワードと東京ファッションアワードをダブル受賞したムッシャン(木村由佳)。薄い素材でぴったり肌を覆う「セカンドスキン」の考えに基づき、下着にも運動着にも見える未来感のあるスタイルを提案した。

 今夏に大地震の「予言」が飛び交ったことを受け、「いつか来る何か」に備えてさまざまな場面で着られる服をイメージしたという。

 台湾発のセイヴソン(ヅゥチン・シン)の粗くほぐれた赤いニットは、血管や筋肉のように生々しい。一本一本の毛糸の隙間からは生身の肌が見える。それは、歴史的に複数の国に統治されてきた台湾人としての、見え方が変われど揺るがない本質を表している。

ナチュラル、落ち感が気分

 ショー会場に人工の滝を設置…

共有
Exit mobile version